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2016.12.20
第19回日本補完代替医療学会学術集会において認知機能の低下予防臨床試験結果として音楽療養コンテンツ『健康王国』を使用することによる有効性を発表
株式会社エクシング(本社:名古屋市瑞穂区 代表取締役社長:吉田篤司)が展開する高齢者向け音楽療養コンテンツ「健康王国」(※1)を使用して行われた「老健施設における運動・音楽・アロマ療法の認知機能低下の予防効果」についての臨床試験(※2)結果が、11月26日(土)・27日(日)に石川県文教会館で開催された「第19回日本補完代替医療学会学術集会」において株式会社ライフサイエンス研究所 栄養指導部課長 田所明美氏より発表されました。
本臨床試験は、株式会社ライフサイエンス研究所、公益社団法人虹の会、NPO法人KYG協会と弊社および介護老人保健施設ハートケア市川との共同研究として行われたもので、補完代替医療法の組み合わせが認知機能低下の予防効果の有無を実証することを目的として実施しました。具体的には老健施設などで実際に行える運動・音楽・アロマ療法などの補完代替医療の組み合わせでMini Mental State Examination(以下MMSEと略す、※3)等の指標を対照群と比較することで認知機能低下への予防効果を確かめることを目的として実施しました。
弊社は、このたびの臨床試験をもとに、さらに試験期間や対象者を増やした臨床試験へと発展させていくとともに、認知機能が健常な高齢者の機能維持や、認知症の疑いのある方および軽度認知障害(MCI)の方の症状の改善効果が高いコンテンツを充実させるとともに、幅広い範囲で研究を継続し、超高齢社会に向けた介護予防、健康寿命延伸、業界従事者の労務軽減に貢献してまいります。
『第19回日本補完代替医療学会学術集会 発表内容』
○ 臨床試験概要
老健施設(ハートケア市川)の入居者で健常者から認知症の疑いのある方も含めた31名を対象に(参加群21名、対照群10名)週2回のパフォーマンスを3ヶ月間行いました。
○ 臨床試験概要
・パフォーマンス実施日: 2016年5月26日~8月22日で各週2回、計26回
・測定日: 2016年5月17日、8月23日
・測定項目:MMSE(※3)、指タッピング計測(※4)
○ 1日のパフォーマンス実施内容(約1時間)
a.能動的音楽療法、受動的音楽療法、軽度運動療法:
※実施においては弊社が展開するコンテンツ『健康王国』を専用機器「JOYSOUND FESTA」を使用して提供しました。
b.アロマ療法:
かんきつ系ハーブ(レモン)を使用した交感神経への刺激
※実施においては市販のディフューザーを使用し、aと同時進行させました。
○ 結果の要約
1.パフォーマンス前31名を対象にMMSEを実施し、途中辞退者3名を除き28名の方が本試験の被験者として参加した。パフォーマンス全26回のうち半数(13回)以上参加した参加群18名(平均年齢87歳)のMMSEを平均点で見ると試験開始から試験最終では参加群19.44点から19.72点で0.28ポイント強上昇した。しかし、対照群6名(平均年齢82歳)は20.83点から20.16点で0.67ポイント低下した。また指タッピング計測でも参加群は対照群と比べると総移動距離の低下やリズムのばらつきが少なかった。
2.軽度認知障害(MCI)の方を含め認知症の疑いのある方は、何もしないでいるとMMSEスコア―が1年間で2点前後下がるとの報告があるが、対照群では3ヶ月で0.67ポイント低下しており、それらの報告と矛盾していなかった。
○ 結論
運動・音楽・アロマ療法など補完代替医療法の組み合せで参加群を対照群とで比較すると、参加群では認知機能の改善傾向が見られた。
【今後の共同研究に対する弊社の取り組み】
①様々なMCIの症状・状態、それらの症状毎に改善効果の高いコンテンツを充実させてまいります。
②効率よく効果を引き出せるパフォーマンスの実施方法、実施時間帯等の研究を行ってまいります。
※緑色に塗った方は健常者として群ごとの計算から除外した。
※参加群として開始したがパフォーマンス実施回数のうち半数(13回)未満に参加した者、対照群として開始した方が途中からパフォーマンスを受けたいとして3回以上参加した者を一時参加群として参考集計した。
(※1)「健康王国」とはエクシングが展開する体力や健康状態に合わせた体操やクイズなど、身体や頭を動かすことで機能改善を目指すことができる音楽療養コンテンツ群の名称です。この健康王国は業務用機器「JOYSOUND FESTA」(ジョイサウンドフェスタ)に搭載されており、毎月定期的に新コンテンツが配信され2016年12月現在では626コンテンツがご利用頂けます。
(※2)本臨床試験ならびに研究は杉正人氏を代表として、介護老人保健施設ハートケア市川様並びにご利用者様ご家族様のご協力のもと、株式会社ライフサイエンス研究所、公益社団法人虹の会、NPO法人KYG協会、株式会社エクシングにより実施しました。なお、杉正人氏の略歴は以下の通りです。
・東京大学農学系研究科 農芸化学博士課程修了(1975年) ・東燃株式会社 技術開発研究所 所長代理(2000年)
・株式会社ライフサイエンス研究所 常務取締役 研究所所長(現任) ・公益社団法人虹の会 顧問(現任)
(※3)MMSE:見当識(現在の日時や曜日)、記憶力、計算力、言語的能力、図形的能力などを測定するためのテストです。認知症の簡易診断用に米国のフォルスタイン氏らが1975年に開発した検査法で30点満点の27点以上が正常と判定されます。
(※4)磁気センサ型の指運動機能計測装置「UB1」(非医療機器)は指タッピング運動波形の解析技術により、磁気センサを用いた運動機能の計測結果から、親指と人差し指の接触時間のばらつきなど、タッピング運動の多様な動作パターンを抽出する測定装置です。
▽株式会社ライフサイエンス研究所 WEBサイト:http://www.life-science.co.jp/
▽公益社団法人虹の会 WEBサイト:http://www.nijinokai.or.jp/
▽NPO法人KYG協会 WEBサイト:http://www.kyg.jp/