「JOYSOUND」ブランドでカラオケやケータイコンテンツ事業を行う株式会社エクシング（本社：名古屋市瑞穂区、社長：吉田篤司）は、福祉関連機器メーカーの株式会社日本テレソフト（本社：東京都千代田区、社長：金子秀明）と共同で、視覚障がいの方向けに業務用通信カラオケの曲の進行に合わせて歌詞を点字で表示する「点字カラオケ」システムを開発しました。カラオケ曲の歌詞を点字に自動翻訳し、専用の点字ディスプレイで歌詞を点字で表示することにより視覚障がいの方が指先で読み取れるようになっており、カラオケ業界では初めての実用化となります。近く試験運用し、今秋にはカラオケ店舗向けに販売する計画です。

同システムは、業務用カラオケ機器、小型パソコン、点字ディスプレイ装置から成り、専用ソフトをインストールした小型パソコンがカラオケ装置からの歌詞データを抽出し、点字ディスプレイで表示する仕組みとなっています。歌詞を自動的に点訳（点字への翻訳）し、曲の進行に合わせて歌詞表示の切り替えを行うソフトを新たに開発して実現しました。点字ディスプレイは、歌いやすいようにわずかに曲に先行して点字を表示するようにし、文字は一度に最大40文字まで表示でき、それ以上の場合もボタン１つで改行ができます。複数の点字ディスプレイを接続することで、デュエットや合唱も可能となります。
このシステムにより、視覚障がいの方が選曲した後、点字化されたデータを読むことで、健常者と同様にカラオケを楽しむことが可能となりました。また、同時に通常のカラオケ画面で歌詞の表示もできるため、健常者も一緒に歌うことができます。
開発にあたっては、視覚障がいの方々の協力を得て実験を行い、表示スピードの調整など使い勝手を改善しており、試験運用のあと今秋には本格販売をいたします。カラオケ店舗の他、各種団体等への販売も計画しています。

国内の視覚障がい者約40万人のうち、約4万人が点字の触読者といわれています。視覚障がいの方にとっては、カラオケは貴重な娯楽の1つとして親しまれていますが、最近は点字の歌詞集も少なくなり、自分専用の歌詞カードを作成し持ち歩くか、記憶に頼ることが多いといわれています。今回のシステムによって、最新の曲から定番の曲まで約10万曲の中から好きな曲の歌詞が歌えることになります。
エクシングと日本テレソフトは、視覚障がいの方にも、よりカラオケを歌いやすい環境を整えることで、楽しみの輪がひろがることを期待しています。

◇株式会社日本テレソフト：
点字プリンター､点字ディスプレイなど視覚障がい者支援機器の専門メーカー。点字と墨字が同時印刷出来る点字プリンターは東京都ベンチャー技術大賞特別賞を受賞するなど独自の技術で商品は世界に広く販売されている。
URL：http://www.nippontelesoft.com